「1日5分のエクササイズ」で痩せられるって本当ですか!?
期間の指定はありますか?複数年単位なら視野に入ります。
現実的な話として、エクササイズ(有酸素運動)は、ざっくり(強度)×(時間)です。
※本当は体重も大事ですが、いったん割愛。
そのため、一日5分のエクササイズも、6年続ければ一年間30分ずつ運動した場合と同等の結果が得られます。
→単純に(5分)×(6年間)=(1年換算で30分)としただけ。
つまり、ダイエットの目標・ゴールを定めて、時間軸を考慮しないと議論になりません。
一日5分運動の本質
ズバリ自己啓発と見ています。
微妙なところですが、「誰でも簡単に儲かる方法」は恐らくアウトです。
しかし、「誰でも簡単に儲けられるようになるためのマインドセット構築術」はセーフだと思います。
今回も前回、前々回に続き、やや批判記事的な内容になります。
※ネガティブブログになりそうなので、これ系のトピックは取り急ぎ終了です。
過去2つの記事よりは、前向きかも?
いずれにせよ、この記事も含めて情報源が確からしいかは確認しましょう。
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参考いい加減に決着を付けたい、ダイエット中に〇〇を食べても大丈夫?論
もちろん、しっかり説明しますが、結論としては軽々に回答できません。 辛口な回答をすると、この質問が出る時点でダイエット方法を見直すべきだと考えます。 ダイエットは貯金に似ている これについては持論です …
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参考「1日〇〇分脚痩せ!」系の真っ赤なウソ 科学的には部分痩せする方法がないという事実
大変残念ですが、そもそも部分痩せの方法が確立されていません。 そのため、「〇〇痩せ!」と体の一部を痩せるような表記をしている場合は、情報源として信頼できません。 仮説は大いに結構! ただし、分からない …
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有酸素運動とその効果とは?
5分間の無酸素系運動も無理とは言いませんが、ピックアップすると有酸素系が多かったです。
そのため、今回は有酸素運動に絞ります。
有酸素運動とは
読んで字のごとくですが、体からエネルギーを得るために酸素を要する運動です。
細かい定義を言うと突っ込まれそうですが、20分くらいは継続できるような運動と言う理解で良いと思います。
同じような運動でも、短距離走は無酸素、長距離走やウォーキングは有酸素運動に分類されます。
有酸素運動の現実的な効果
運動強度については、厚生労働省の表が参考になります。
https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/mets.pdf
この表をもとに、体重データと照らし合わせることで凡その効果が計算できます。
ちなみに、体重100kgの人が高強度(8Mets)で運動した場合は、約9時間(体脂肪1kg≒7,200キロカロリー)です。
※次の見出しにて計算サイトのURLがあります。
どうでしょう?
一日5分で痩せそうでしょうか。
実際に自分の身体データで計算してみよう
こんな時にも、便利な計算サイトがあります。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228741
はっきり言って身長も体重も違う他人のデータは参考レベルです。
「〇〇さんはこれで成功した!」はあまりあてにしない方が良いと思います。
自分の身体数値を使うようにしましょう。
一日5分で痩せる計画をシミュレーションしてみよう!
では、先ほどの計算サイトを使って実際に確かめてみましょう。
恐らく、自分の思っているよりも多くの時間がかかるのではないでしょうか。
年単位で見ることも視野に入れなければならない
今回の前提である「一日5分」にこだわるならば、恐らく年単位での計画になります。
ダイエット自体半年程度を見込むことはあるのですが、当然ながら長引くほど負担です。
総合すると、理論上は可能という結論になるのではないでしょうか。
私のデータで概算してみた結果
では実際に、私が体重70kg→65kgまで、一日5分の運動で痩せようと思った場合どのくらいかかるかのサンプルを出します。
条件は以下の通りです。
ダイエットの条件
- やや甘めに、体重70kg時点のデータを使う(体重が減少していく過程の減退効果は含めない)
- 停滞期などはないものとする
- 365日休みなく、期間中の過食などもないものとする
- 運動強度は8(Mets)×5(分)
ざっくりまとめると、毎日休みなく、誕生日や年末年始も含めて常に規則正しい食生活を送ったという前提です。
シミュレーション結果
70→65kgまでは、734[日]でした。
約2年間です。
もちろん、理論値であり食事や運動計画がずれた場合は前後します。
アリですか?ナシですか?
(参考)計算式
消費カロリー(kcal) = Mets × 体重kg × 運動時間 × 1.05
(5kgのダイエット) = 7,200(1kgあたりの体脂肪) × (5kgの減量目標) ÷ 49(上記で求めた消費カロリー)
ダイエットの本質は食事である!と断言する理由
ここまで見てきた通り、有酸素運動では1kg痩せるのに10時間程度はかかります。
それも、カロリー収支が0(乱れていない)前提です。
もしも食事制限なら、ごはん一杯の我慢(160g換算、250キロカロリー)で一か月あたり1kg減量できます。
単純な時間軸なら運動ですが、継続のしやすさ、体の疲労などを考えると食事制限がダントツでおすすめです。
食事制限で痩せる例
例えば、上で上げた例を食事制限でやった場合を考えてみましょう。
もちろん、こちらも理論値です。
条件: 一日500キロカロリー制限をかけたものとする(体重にもよるが、効率・健康的に痩せやすい数字として)
(5kgのダイエット) = 7,200(1kgあたりの体脂肪) × (5kgの減量目標) ÷ 500(食事制限するカロリー)
70→65kgまで、72[日]です。
約2ヵ月半となります。
食事制限でダイエットする身として、現実的に理想通り進めるのは難しいですが、机上の話でもこれだけ効率が違ってきます。
ちなみに、8mets(約時速8km)の50分マラソンを72日ぶっ続けでやればこの食事制限と同等の効果を得られますね!
有酸素運動シミュレーションについての補足
注意
ダイエットする時点の体重にもよりますが、上記シミュレーションでは考慮していないリスクがあります。
それは、関節を始めとした体へのダメージです。
無理な運動は、明らかに体へのダメージとなります。
食事制限も同じですが、無理なダイエットはむしろ健康に悪である!という前提は押さえておきましょう。
異常のサイン
あくまで個人的にですが、食べることに罪悪感を感じたら注意しましょう。
ダイエットは目的ではなく手段です。
何のために痩せるのか、目的や手法、経過など、計画を振り返ってみましょう。
適度に食べて、適度に動いて、健康的に痩せる。
これに勝るものはありません。
自己啓発としての「一日5分ダイエット」を考えてみよう!
記事の一番最初に書きましたが、この手のダイエットは「自己啓発」の一環と捉えています。
その前提に立ったとき、果たして実用的・現実的なものなのかを考えてみましょう。
一定の効果があるから選ばれている
まず、動画等のコメントを見ていただくと評価するものが見つけられると思います。
※コメントを書いている方が、そもそもファンである可能性ももちろんあります。
いずれにせよ、多くの人が見て、試しているから上位に上がるわけです。
現実として、結果を出している人はいると思っていいでしょう。
理想と現実の違いは認識しなければならないということ
理想は、手軽ですぐに効果が表れることだと思います。
しかし、現実はそれなりに努力が必要で時間もかかるということです。
計算するほど気が遠くなることもありますが、それでも実態は知っておいた方が良いと思います。
特に、計画通りいかなくなった時の修正時には真価を発揮するはずです。
普通は理論値通りにいきません。
意外と有効かもしれない科学的な理由
なぜ現実不可能に難しいことを言っているのに、支持されるのでしょうか。
これは推論ですが、いわゆる先延ばし癖に関することが関係していると考えています。
論文自体いくつも出ているようですが、ほとんどの人間が先延ばし癖があるそうです。
※コレだ!というのが探し損ねたので一般論で。
つまり、「1日5分のトレーニングをきっかけに、本気でダイエットに取り組むようになった」というケースは十分に考えられます。
因果と相関の違いととらえよう
短時間の運動で痩せたとしたら、恐らく原因ではなく相関の方だと考えます。
何もしていなかった人からすれば、短時間の運動でも十分な成果です。
その中の一定数が本気で取り組むようになれば、結果成功例も増えてきます。
だからこそ、「一日5分ダイエット」は原因でなく、本気でダイエットに取り組むきっかけだと考えています。
きっかけがなければ当然行動に移さないので、初手の取り組みとしては肯定する立場です。
まとめ: 短時間運動は導入として意外とありかも?まずは習慣づけから取り組もう!
ダイエットの一番の関門は、「継続できるか」だと考えています。
いきなり高い目標では三日坊主になる可能性もありますし、そもそも諦めてしまうかもしれません。
その意味で、導入としての「一日5分ダイエット」はアリだと思います。
ダイエットの手法としては、以下のような認識で取り組んでほしいと思います。
甘い!
一日5分ダイエットだけやっていれば痩せられる
むしろアリ!
一日5分の運動から習慣づけていき、ダイエットを日々の生活に取り入れる
まずは、できることからやっていきましょう!
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参考いい加減に決着を付けたい、ダイエット中に〇〇を食べても大丈夫?論
もちろん、しっかり説明しますが、結論としては軽々に回答できません。 辛口な回答をすると、この質問が出る時点でダイエット方法を見直すべきだと考えます。 ダイエットは貯金に似ている これについては持論です …
続きを見る
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参考「1日〇〇分脚痩せ!」系の真っ赤なウソ 科学的には部分痩せする方法がないという事実
大変残念ですが、そもそも部分痩せの方法が確立されていません。 そのため、「〇〇痩せ!」と体の一部を痩せるような表記をしている場合は、情報源として信頼できません。 仮説は大いに結構! ただし、分からない …
続きを見る
クレジット
・「厚生労働省」生活活動のメッツ表
https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/mets.pdf
・「生活や実務に役立つ高精度計算サイト」生活や運動の消費カロリーの計算