WordPressはシステムといえばシステムですが、デザイナーやコーダー寄りの方でも使う機会があると思います。
システム開発者であれば「Docker」や「vagrant」などの仮想環境を使えますが、覚えるまでのコストを考慮しなければなりません。
今回は仮想環境の煩わしさを極力なくすツール「Local」(旧Local by Flywheel)を紹介します。
特に参考にしてほしい方
- 本番に上げる前にWordPressを試してみたい方
- WordPressの開発環境をオフラインで用意したい方
- XAMPPなどで毎回サイトごとに設定を書き換えている方
[マルチ運用可能]Wordpress用の仮想環境ソフト「Local」
Localでは、アプリ画面でWordPressサイトの構築が完結できます。
Dockerなどの汎用仮想環境ソフトと異なり、自分でスクリプトを書く必要がありません。
インストールとボタン操作でポチポチ作れるので、システム以外の方でも気軽に使いやすいと思います。
Localの基本的な使い方
Localをインストールした後の、スタート画面は以下のような作りです。
※既に1サイト作っていますが、最初は当然空の状態です。
step
1新しいサイトを追加する
画面左下の、赤枠で囲った部分からサイトを追加できます。
step
2新規サイトを設定して立ち上げる
今回は新規のローカル環境を作るので、左側を選択して「Continue」ボタンを押下します。
赤枠で囲った部分が初期状態では表示されていませんが、作成前に開くようにしましょう。
保存先は理由がない限り変更しなくていいですが、ドメインの方はチェックしておいた方が良いです。
ハイフンのあり/なしなど、微妙に違いが出るため思わぬ勘違いが生まれるかもしれません。
この画面は必ず「Custom」の方を選択しましょう。
本番サーバと、PHPやサーバの種類(Apache, nginx)、データベースバージョンをなるべく合わせるようにします。
ここが本番と違う場合、ローカル環境を作る意味が半減してしまいます。
ローカルサイトのためユーザとパスワードは適当でも構いませんが、できるだけ本番用のものを作りましょう。
理由としては、「ローカル→本番」または「本番→ローカル」と環境を引っ越すパターンが多いからです。
プラグインで簡単に移行できるのでぜひ活用してほしいですが、ユーザ名とパスワードもそのままのため後で設定し直す必要が生じてしまいます。
青枠のカスタム部分は、マルチサイト運用の場合のみ「Yes」を選択します。
恐らく、ほとんどの方は「No」のシングルサイト運用で構いません。
ここまで入力すると、サイトの構築が開始されます。
step
3画面の見方を確認しよう
メインの画面
全部確認してほしいのですが、いくつか大事な部分をピックアップします。
緑枠の部分
画像で「Stop site」と出ていますが、これを押すことで仮想環境を停止することができます。
逆に言うと、現在は動いている状態です。
「Start site」となっているときは、仮想環境が停止している状態なので、使用時は押して起動状態にする必要があります。
オレンジ枠の部分
WordPressの管理画面(ログイン画面)や、サイトのTOPページを表示します。
まずは管理画面に遷移し、入力したID・パスワードが動作するか確認してみましょう。
黄色枠の部分
デバッグモードを有効化するか選択します。
単体では動作しないため、エディタの方の設定も必要になります。
テーマを作りこむ場合は、必須級の機能です。
テーマやプラグイン内で作り上げることを考えている場合は、必ずしも入れる必要はないと思います。
Databaseタブ
説明部分がそこまで多くないですが、使う箇所をピックアップします。
赤枠の部分
Databaseを選択すると、データベースの設定画面に変わります。
緑枠の部分
データベース管理ソフトの「Adminer」を起動します。
「PHPMyAdmin」と似たようなことができ、GUIでデータベースの操作が可能です。
PHPで動作するので、PHPMyAdminよりインストールが楽で普段使いにもおすすめです。
公式サイトからダウンロードできます。
Toolsタブ
Toolsタブは使い方次第ですが、デバッグ作業やメールの内容を確認する際には活用できます。
とはいえ、メールについては本番でのテスト(少なくとも最後の一回は)を強く推奨します。
メールサーバのトラブルは少なくないので、アドレスや文面などは本番でしっかりと確認しましょう。
Localはシステムが得意な方にもおすすめ
余計なソフトは入れたくないという場合は仕方ありませんが、食わず嫌いをせずに活用してほしいと思います。
DockerやXAMPPを使うよりも、ほとんどの場合取り回しがしやすいです。
他の開発環境と管理も分けるので、システムはシステム、サイト(WordPress)はサイトとした方が良いのではないでしょうか。
一方でWordPressに特化しているため、例えばAPIや他システムと連携するようなシステムの場合は向きません。
まとめ: WordPressのローカル環境構築はアプリ「Local」で管理してみよう
WordPressはシステム開発者以外も使用する、とても利用者が多いCMSです。
その分誰もが使えるような整備もされているのでしょうね。
いずれ取り上げたいと思いますが、ローカル⇔本番環境の引っ越しには便利なプラグインがあります。
WordPressには便利な機能やツールがたくさん開発されているので、どんどん駆使して効率的に開発をしてみましょう。
※本番のセキュリティには勿論注意してくださいね。