今回はコラム的な内容として、「独自技術」などの宣伝メッセージに対する捉え方を記述します。
予め断っておきたいこととして、優れた技術は高い評価を受けるべきという考えです。
批判的な内容も書きますが、エンジニアの一員として技術の発展は大いに歓迎しています。
あくまで、商品やサービスを選ぶ際にどう捉えるか、という点について述べています。
主にその技術そのものに対する評価ではなく、「本社の製品は独自技術で~」や、「メーカーと独自開発で~」という宣伝文句に対する評価です。
独自技術の中には、実現できないものとしないものがある
安直的ですが、まずは「独自」の意味を確認してみます。
広辞苑(Web)から引用すると、以下の記述になっています。
- 自分ひとり。「―に行う」
- 他と異なり、そのものだけに特有であること。「―の境地をひらく」「―性」
「独自技術」の意味としては2番目の方で、「特有」としての意味になります。
要するに、他にはないものということですね。
わざわざ説明する必要がないかもしれませんが、認識あわせとして確認させていただきました。
独自のものが優れているとは限らない
「独自のもの」と目にしたとき、「すごい!」とすぐに感じる場合は注意が必要だと考えています。
他がやっていない、持っていないものであるからと言って、優れているとは限らないからです。
極端な例ですが、下記のような商品は欲しくなるでしょうか。
- 独自技術で転びやすい靴ができました!
- メーカー独自の加工技術で、よく羽が舞う羽毛布団ができました!
面白目的ぐらいの需要はあるかもしれませんが、少なくとも普段から使いたいとは思わないはずです。
自分しかやっていないことは、他は意味がないからやっていない、ということかもしれません。
独自の○○と見たときは、どこが独自でどこが優れているのか、という点に着目してみましょう。
客観的事実の少ない「当社比」
商品の紹介として、当社比という表現は聞いたことがあると思います。
これも、独自技術に近く注意深く見てほしい言葉です。
文字通りではありますが、「当社比」とは自社の別な商品と比較しての評価になります。
当然ながら他社よりも優れている証拠にはなりません。
自分の学力で考えてみると分かりやすいと思います。
「前回のテストより5点高かった」とした時、前が赤点であれば良い点数とは言えません。
客観的な情報とは言い辛いので、他の情報も合わせて検討してみるようにしてください。
技術が最先端?成果が最先端?「最先端」の捉え方
最先端の技術とは、何を指しているか考えてみたことはありますか。
捉え方はそれぞれですが、イノベーションを起こすような新しい技術といったところでしょうか。
そして、新しい技術とは言えいくつかの会社で研究されていますよね。
例えばAIやドローン技術などは想像がしやすいと思います。
ここで考えてほしいのが、技術そのものが最先端なのか、同じ分野で戦っている同士の中でも最先端をいっているのか、という点です。
最先端と言われる技術を使っているというだけで、「最先端技術を使用!」といっても誤用ではありません。
同じような研究をしている中で、本当にそこが優れているかは見極めるようにしましょう。
宣伝は企業の自己アピール!あくまで比較の材料として捉えよう!
批判のような内容を綴ってしまいましたが、宣伝自体はどんどんやっていっていいと思います(もちろん詐欺的なものは除きます)。
自社の製品を良く知ってもらって、ファンになって買ってもらうことを目的としているわけですから、良いことを言うのは当然のことです。
就職や進学の自己アピールでも、自分の悪いことを散々語った後「これだけはマシなんです!」とは言わないでしょう。
大切なことは、受け手側が冷静な判断をできるかということだと思います。
どのような技術が使われているかは、あくまでその製品ができるまでの過程の話です。
自分の必要としているもの・サービスと、公開されている情報がどれだけ一致するかを見ていきましょう。
まとめ:「独自技術」や「当社比」などのメッセージではなく、定量的に判断しよう
ものやサービスを選ぶ基準として、定量的に判断できるものが良いと思います。
「当社比であたたかい布団!」よりも、「××分で○○度分あたたまる布団!」みたいなものですね。
必ずしも数字で表せるとは限りませんが、なるべく客観的で定量的な情報を探してみましょう。
今回取り扱ったものは、自分にとって必要なものを選ぶ時の考え方です。
趣味のお金とかけ方や、納得して浪費する場合は別になります。
コスパ良く必要なもの・サービスを選びたいときは、参考にしてみてください。
クレジット
サムネイル画像: UnsplashのJulian Hochgesangが撮影した写真