未来の自分
自由な働き方をしたいか。
余裕のある生活を送りたいか。
現代人としては、当たり前に思っていることでしょう。
スクールという選択肢
フリーランス等の会社に依存しない働き方として、プログラミングは筆頭だと思います。
そして、勉強方法としてはスクールも良く紹介されることでしょう。
私としては、とりわけ不誠実なスクール紹介サイトが多いことが問題だと感じています。
もちろん、スクールがダメという立場ではありません。
時間的にも金額的にも、大きな買い物になります。
受け身でなく、自らの選択で行動してください。
プログラミングスクールは「スクール」であるという理解が必要
プログラミングスクールは「塾」です。
「何当たり前のこと言ってんの?」と思うかもしれません。
それでも、かなり重要なポイントなので最初に念押しさせていただきます。
プログラミングスクールの主体者は受講者である
広告などを見ていると、卒業後の「成果」を強調しているように感じます。
例
未経験から〇〇ヵ月でフリーランスエンジニアに!
努力を続けるために、理想の未来、将来の展望を考えることは重要です。
しかし、最も大事な点は、自分が何を身に着け何を成し遂げるか、ではないでしょうか。
「スクール」と冠するように、子供の学習塾と同じく主体は勉強者自身です。
指導員がどれだけ頑張っても、生徒の協力がない限り成果が出ることは絶対にあり得ません。
なぜ一部で「プログラミングスクールはやめておけ」と言われるのか
結論としては、費用対効果でしょう。
プログラミングスクールは、概ね数十万円の費用と3ヵ月~半年程度は必要とされます。
そして、広告のように誰もが成功するとは限りません。
※それなら世の中エンジニアだらけになってます。
スクール自体の良し悪しよりも、現実と理想が乖離している状態ではないでしょうか。
コラム:投資詐欺がある現実
利回りの良いインデックス投資として、アメリカの「S&P500」が上げられます。
そして、直近20年(円建て)では年率8%程度です。
ある程度知られた投資手法では、10%弱でもかなり優秀な部類です。
福利10%と仮定して計算すると、約7年で2倍になります。
しかし、7年も待てないという人が、非現実的な投資に飛びつきカモられてしまいます。
現実と理想の乖離が起こす弊害は、身近にも存在するのです。
過大広告・ステマサイトが発生するメカニズム
結論!お金になるからです。
ヨドバシの件でも書きましたが、紹介で売れた場合仲介手数料(比喩)がもらえます。
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参考記事優秀なのに紹介されない通販サイト「ヨドバシドットコム」の秘密
まず定義として、下記を示しておきます。 そして、ヨドバシドットコムは、ECサイト型としてはトップを走っています。 ECモール型でも製造元がそのまま出品している場合も多く、何ならヨドバシの方が安いことも …
続きを見る
スクール自体も高額なため、生徒一人でも結構な利益になるはずです。
要するに、元売り、仲介ともに利益率の高い商品に該当します。
プログラミングスクールの現実と落とし穴
改めて書いておくと、スクール=悪ではありません。
過度に期待することや、通っただけで目的を達したように思ってはいけないということです。
ここでは、ハマりやすい点をピックアップしていきます。
メンターのムラと採用基準
最近は改善されましたが、一昔前は採用基準も甘々でした。
古い資料ですが、下記に、平成29年作成の総務省のPDFリンク(電通社調査)を掲載します。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000532006.pdf
110ページ以降のアンケートにある通り、半数超がプログラミング未経験です。
子供向けということを差し引いても、必ずしも「得意な先生」と出会えるとは言えないのではないでしょうか。
身近なメンター採用例
N=1ではあるのですが、数年前私の知り合いは、最大手レベルのプログラミングスクールのメンターをやっていました。
実務経験なし、大学の研究で1年かそこら軽く触った程度です。
…本人は優秀でしたが、体制的に大丈夫か?
私塾もそうでしょう?という点
メンターについては、プログラミングスクールだけを言うのは不公平ですね。
実際に、塾や家庭教師の学生バイトも珍しくないと思います。
その学校に合格できた=教え方が上手く合格に導ける、ではないことは自明です。
良くも悪くも、プログラミングの特別扱いは止めておきましょう。
コストパフォーマンスは優れているか
スクールでは、コスト問題が2・3番目に上がると思います。
1番や2番は?もちろん成果と時間です。
早く結果を出したい/お金がかかっても結果を出したい、どちらも需要はあるでしょう。
無料や安いツールもあるので、費用や時間に見合うか見極めねばなりません。
アンケートは誰に聞くか。誰が答えるのか。
まるっきり信用するなとは言いません。
ただ、母数や調査元は見ておこうね、という話です。
基本的に、割合が出ていたら母数(人数)を、人数が出ていたら割合をみましょう。
いわゆる、数字のマジックが隠れているかもしれません。
また、第三者機関と言いつつ業務提携しているところがあります。
それって第三者なの?と思うところがあるので、口コミも含めアンケートはあくまで目安として参照ください。
危険なプログラミングスクール紹介サイトとは?
思うところのある紹介サイトが点在しているので、その一例を挙げます。
根拠も出しますが、最終的にはご自身で判断ください。
私としては、自らの経験(スクールは通ってないので業務経験の方)を踏まえて、現実と照らしてどうかというポイントで記載しています。
ランキングサイトは「不誠実」という現実
ダメなサイトだと思う筆頭は、「ランキング形式」および「比較」系のサイトです。
まず、基準が明らかになっていません。
微妙にずるいというか上手いのは、「口コミを集めました」、「こんな声が上がってます」を根拠にしている点です。
要するに、間違い等を指摘された場合、「私はネット上の声を集めただけで断定していません」と言えます。
もっと踏み込めば、一つでも自分の意見に合う情報があれば根拠として使えるわけです。
地域の学校のランキングサイト、あなたは作れますか
少し余談ですが、シミュレーションをしてみましょう。
あなたの地元の私立中学~大学で、おすすめの進学先ランキングを作れますか。
通ったこともない学校、学歴ぐらいは分かるものの、学風や取り組みなどはうわさやネットの書き込み。
自信を持って、自分の周りや親戚などに、〇〇学校のおすすめ度は★いくつです、君はこの学校に行くべきだ、と言えるでしょうか。
ご判断は任せますが、今の紹介サイト界隈はその段階です。
自社サイトかどうかは判断ポイント
プログラミングスクールは、ブログも併用しているケースがあります。
自分のところのブログで、自分のスクールも紹介している状態です。
相互補助なのか分かりませんが、そのブログでは他の大手サイトも比較で紹介しています(しかも広告収入付きで)。
もうわちゃわちゃしてます。
ステルス的にやらずに、堂々と自社サイトで勝負してほしいです。
利益関係のある第三者機関
上述したものに類似しますが、情報サイトが紹介料をもらって掲載するケースがあります。
利益関係にあるので、公平性は低いかもしれません。
アンケートなどもありますが、どんな属性の人が答えるかはよく考えましょう。
基本的には、インセンティブがあるか強い意見のある人で、多くの人はスルーします。
受講者の情報はどこから取っているの?という疑問
無差別にアンケートをして、たまたま受講者に当たる確率はどのくらいでしょうか。
予想なのでダメ出し食らうかもしれないのですが、現実的に考えれば(匿名でも)受講者の情報をもらっているでしょ?という話です。
ランダムですか。
それとも、優秀な順、感触の良かった順に選んでいませんか。
これ以上は野暮になりますが、客観性のあるデータを記載していることを願います。
検索トップには広告サイトが来るという仕組みを知ろう
Google検索などの仕組みで、基本的には広告が上にきます。
プログラミングスクールだけではないです。標準仕様です。
さすがにGoogleはしっかりしているので、それには「広告」や「Ad」、「スポンサー」みたいな表現がつきます。
ネットに限らず、検索結果の上にある、有名人が話している=正しい情報、とは限りません。
あなたにプログラミングスクールは向いているか
大きいポイントでいうと、以下の人には良いと思います。
こんな方におすすめ
- 牽引してもらわないと新しいことができない方
- 凄まじい「もったいない」精神
- お金よりもとにかく時間が惜しい方
自力で学習できる人にはコスパが悪すぎる
今は学習手段が多様化しています。
動画サイト、無料サイト、有料でも低コストなサービス、etc…。
また、一昔前でも、書籍での勉強が可能でした。
図書館にも蔵書があるので、今でも取れる手段です。
いずれにせよ、費用対効果が高いかは議論のある点だと思います。
「もったいない精神」との相性は良い
良い悪いはともかく、高いのでお金を無駄にするのが嫌いな方には相性がいいです。
好きな方は中々いないと思いますが。
例えば、バイキングに行くと「元を取る」と言い出す方ですね。
給料数か月分くらいの投資になりますし、それこそ元を取るという強い思いはぜひ持ってください。
最終的な目的は間違えないでね。
ダイエット記事と同じ立場
過去の記事で、美容整形についての立場を書きました。
スクールについても、その時と同じような立場です。
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※言及レベルの参考「1日〇〇分脚痩せ!」系の真っ赤なウソ 科学的には部分痩せする方法がないという事実
大変残念ですが、そもそも部分痩せの方法が確立されていません。 そのため、「〇〇痩せ!」と体の一部を痩せるような表記をしている場合は、情報源として信頼できません。 仮説は大いに結構! ただし、分からない …
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身体的なリスクは低め
スクールについては、少なくとも命の危険はありません。
あくまで、時間・経済的な影響が主になります。
スクールで始めて優秀な方も知っているので、そういう意味では「合いそうなら薦められる」くらいの立場です。
事前収集のできない人には向いていない
ここでいう「できない」は、苦手ではなく面倒くさいの方です。
厳しめに書くと、情報収集を性格的にできない人はプログラミングが向いていません。
段階や内容にも依存するものの、単純に記事を読むだけでなくドキュメントを読む時期が来ます。
そもそも、ブログは割と間違ってます。
本当にやる気なら、少なくとも改善する取り組みぐらいはするべきです。
受講するなら目的は明確にしておくべきということ
なんとなくプログラミングをしたい→まずはスクール。
この流れは、個人的にぞっとしませんね。
モチベーションにも繋がると思うので、何のためにやるかを明確にしましょう。
SE、プログラマー、デザイナー、プロンプター(諸説あり)の違いは理解しておこう
スクールで勉強できることは、コードを書くことだけではありません。
組み込みやインフラはあまりない気がしますが、フロント系とデザイナーは割とあります。
上流のSEを目指すのか、コーダーを選ぶのか、一人で完結するような小規模なデザイン+コーディングを選ぶのか。
将来の選択肢を踏まえた、キャリア形成が大切です。
収入UPが目的なら、未経験可の転職がおすすめ
根本からひっくり返すようなことを書くと、スクールより転職がおすすめです。
今時、未経験可も珍しくありません。
職業にもよりますが、キャリア形成を考慮すると、未経験でも待遇は上がる企業の方がいいです。
まずは一度、相談無料の転職エージェントを尋ねてみてもいいでしょう。
フリーランスは営業活動が最も大変
もし、フリーランスを選ぶ場合は仕事を取るのが恐らく最も苦労します。
似た思いの人が集まりやすい
同じような考えの人はたくさんいるので、最後は競争です。
嘘はつかず、一方で選んでもらえる魅力のある人物を目指す。
誰でも簡単に、というわけにはいきません。
「三方よし」を自分のテリトリーで達しなければならない
特に、フリーランスになりたての時期はできることが少ないです。
取引先の目的を達するのが一番として、同時に自分のテリトリーに持ち込む努力もしましょう。
要望例
相手の目標:サイトのアクセス数を伸ばしたい
要望する機能:高度でダイナミックなアニメーション
回答例
こちらの提案:アニメーションがアクセスに繋がるとは限らない。軽量化で離脱を防ぐ方が良い。
実装する機能:イメージではなく、ある程度確立されているマーケティング手法を提案する。
ややふわっとした書き方ですが、要するに目的と手段を間違えるな。
そして、実用的な技術ほど案外簡略化されているので、実際に作るとなっても取り組みやすいはずです。
例外はあるが、実績があって要望も多ければ、方法も洗練されている。
コース選びはその後のキャリアを左右する
言語選びは、結構大切なポイントです。
第二言語は大分ハードルが下がりますが、一つ目に何を選ぶかは最重要ポイントの一つです。
躓くと、止めてしまうかもしれない。
まずは、実用的で続けやすいものが良いと思います。
Python-機械学習系ってどうなの?という話
個人の意見としてですが、Python機械学習(AI)は正直おすすめしません。
二兎を追う者は一兎をも得ず。
言語は言語、AIはAIで考えた方がいいと思います。
Pythonは言語として簡単
あまりおすすめできない理由は、Pythonが簡単だからです。
独学でもやりやすい部類と言えます。
もしも時間が許すなら、もう少し難易度の高い言語をスクールで学び、第二第三の言語としてPythonを選ぶと良いと思います。
独学でできた場合は、Pythonは自力で、AIを専門で習う方がおすすめです。
TensorFlowはC++言語で書かれている
そもそも、なぜAIはPythonなのでしょうか。
一番大きい理由は、早く簡単に書けるからです。
AI の現実はこうだ!
Pythonで使っているAI計算のプログラムは、C++で書かれています。
実行速度でPythonはC++に大きく遅れを取るため、C++で難しく書かれているものをPythonという柔らかい布で包んでいる形です。
言語としてそのような立ち位置なので、費用対効果に疑問があります。
AI最前線は分野のエキスパートが必要という現実
まずAIにおいては、複数の分野から成り立っています。
主に数学、エンジニア、データサイエンティストなどが必要でしょう。
さらに、AIを何に活かすかなどのアイデアも必要になります。
数学の例
一番わかりやすいのが数学だと思うので、一例を紹介します。
AIでは、パーセプトロンからのニューロンへ考えを拡張します。
そして、その発展形としてニューラルネットワークを構築します。
ディープラーニングでは最小二乗法などが用いられ、出力にはシグモイド関数(ざっくりステップ関数の亜種)と言われるアナログ出力的な技術が使われます。
分析や分類には、微分も使うでしょう。
かように、AIの基幹では数学が必須で、同様に各々の分野でエキスパートが必要になります。
【コラム】生成AIとGoogleのスタンス
ChatGPTなどの生成AI、端的に自然言語処理を主軸としたAIに対するGoogleの見解はご存じでしょうか。
AIコピペ記事を、Googleは容認しない
https://developers.google.com/search/blog/2023/02/google-search-and-ai-content?hl=ja
プログラミングを学ぶということは、取り巻く情勢などを学ぶこともセットになります。
先々の話かもしれませんが、認識だけは持ってほしいと思います。
スクールその前に。自力でできないか?
無料動画やサイトもたくさんある
今は図書館だけでなく、アクセスできるツールはたくさんあります。
見切り発車はせず、比較検討が大切です。
無料ならYoutubeやProgateなど
無料筆頭は動画(Youtubeなど)です。
やはり、映像の有無は分かり易さに大きく寄与するでしょう。
もう一つは、サイトを使った学習(Progateなどのサービス含む)です。
無料サイトを使うなら
有料化の選択肢がないなら、動画など最後まで無料のものを選びましょう。
例で挙げたProgateは、途中から有料になります。
自分に合えば有料化してもいい、という意思であればおすすめです。
有料ならUdemyやProgate(有料プラン)など
Udemyの良さ
講座ごとに深堀するため、ボリュームが豊富です。
より実践的な知識の追求に役立たせやすいと思います。
私自身も、新しい言語やツールの学習に利用することがあります。
Progateの良さ
月額プランで様々な言語を学習できることです。
漠然と「プログラミング」を学びたい場合に使いやすいです。
また、言語学習に特化しているため、体系的に学ぶ場合はおすすめできます。
プログラミング言語にも簡単なものと難しいものがある
恐らく、使うプログラミング言語が一つだけというケースは稀です。
何を、どのような手段で、どのような順番で学ぶか。
ゴールは変わらないかもしれませんが、続けていくためには、やはり最初の計画が大切です。
Pythonだけ言語学習、機械学習は別でスクールに通うという方法
先述の通りですが、繰り返します。
二兎を追う者は一兎をも得ず。
Python言語とAI、まずは一つずつ考えてみませんか。
少なくとも、高額なスクールで両取りを目指すのは、個人的におすすめしません。
体系的に学ぶなら書籍もかなりおすすめ(→第二言語の方がいいかな)
いわゆる「オライリー本」などは特に、言語に慣れてからがおすすめです。
書籍は難しいものも多く、選ぶまでの難易度も高めだと思います。
そもそも、何を選んだらいいかわからない。
そのような意味も含めて、書籍は第二言語か、ある程度習熟してからの方がおすすめです。
漫画形式の書籍について
初心者向けとブランディングしているので、コレならありだと思います。
色々書きましたが、自分のレベル帯に合う本を正しく選べるなら最初から書籍でもいいです。
それでも時間がないならスクールが恐らく最適
総論的な話として、スクールへの疑問は費用対効果です。
時間軸で考えるなら、恐らく二番目だと思います。
一番早い方法は?
自分の目指す分野の最先端企業に就職して実際に仕事すること
上記は実現性に難があるので、実質的にスクールが筆頭に上がると思います。
お金<<<時間なら、スクールは良い選択肢になるでしょう。
まとめ: プログラミングスクールは大きな買い物。メリットとデメリットをよく理解したうえで受講しよう!
往々にして、スクールを取り巻く環境は両極端だと感じています。
スクールを推奨する側
現実よりも万能感を出しすぎ。
スクールを否定する側
金額は高いが、少なくとも無意味ではない。
広告を信じて失敗した方なら、言いたくなる気持ちも分からなくはない。
自分で続けられる方法を探し、なるべく後悔しない選択をしてください。
もしも本当にエンジニアになるなら、投資と割り切るのも問題ありません。
あくまで目的と手段。
本質を見失わないことが大切です。